
名古屋市中区の名城公園のクヌギやコナラには、11月になると、どこからともなく、クヌギカメムシが繁殖・産卵のために集まってきます。交尾に至る前には写真のように、1匹のメスにオスが群がり、だんご状態になっていることもしばしばです。オスは、メスに接触したときに、時折、口吻を出します。メスが幹に産み付けた卵塊の上でも同じように、口吻をのばしているのを見たことがあります。
触覚を使ってメスを確認するというのは、虫の世界では、よくある話だと思いますが、なぜ口なのか?
それと、一般的に昆虫では、交尾はあっという間に成立するか、メスが拒絶して終わりのいずれかしかないと、思っていました。それが、クヌギカメムシの場合、メス1匹に複数のオスが群がっていても、どのオスもなかなか交尾には至らないまま、だんご状態が数分続いたようなケースもありました。これも、よくわかりません…

2枚目は、産卵中に、ヨコヅナサシガメの幼虫に襲われてしまったメスです。撮影した時点ではメスは生きていましたが、やがて体液を吸われ、ひからびて死んでしまいます。何年か前に、産卵中のマルカメムシがヨコヅナサシガメに襲われているところを見たことがありますが、やはり産卵中は危険なんでしょうね。

3枚目は、産卵しているメスです。このカメムシは、卵を卵塊にして生み、卵塊は膜で覆われています。クヌギカメムシは樹幹に産卵することが多いですが、たまに写真のように、枝に産んでいることもあります。
交尾、産卵は12月に入っても見られますが、そろそろ、もう姿を消す頃になっていると思います。晩秋の虫も終わり、いよいよ冬の到来ですね。